不妊に漢方薬は効果があるのか。そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。漢方薬で不妊に対して効果がでるまではどれくらいといった疑問も出てきますよね。
そして漢方薬には副作用もあります。副作用の中には動悸や湿疹、かゆみといった症状が出る場合もあります。今日は漢方薬と不妊の関係や副作用の頻度などにも注目してみたいと思います。
漢方薬で不妊に効果が出るまでどれくらいなのか?
そもそも漢方薬で不妊治療ってどういったものなのでしょうか。漢方薬は古くから中国で発展してきた医術の一つです。自然のものから生薬として人の持つ症状に合わせて調合し服用します。
昔は西洋医学の世界では漢方薬や東洋医学は懐疑的な目で見られてきました。しかし最近では東洋医学も見直されつつあります。
日本の病院でも漢方薬が処方されることもしばしば増えてきたのを実感されている方も多いと思います。では不妊に漢方薬はどうのように使うのでしょうか。
西洋医学と違い、漢方薬は不妊に対するアプローチが違う
漢方、つまり東洋医学の考え方は西洋医学のそれとは大きく違います。西洋医学の場合は、不妊に対しては対処的両方が一般的です。その代表的事例が排卵誘発剤です。
排卵が滞っているなら薬剤で対処しようとするのが西洋医学です。一方東洋医学ですと、排卵に問題があるとなると体の代謝、血の巡り、自律神経などに問題があると考えます。
これによって体調がくずれ月経不順や排卵に問題がおきるという考え方があるのです。そんな体調不良を漢方で調整し結果として不妊を治そうというアプローチが東洋医学にはあるのです。
不妊治療に使用される漢方薬
漢方で重要視されるポイントは3つあります。
- 気
- 血
- 水
気は精神や心、見えないエネルギーを表し血や水は体の中の栄養や気などのめぐりを表すようなイメージで捉えます。これらの要素が滞っていると人は何等かの病気になると考えます。
漢方的にみれば、不妊は排卵という女性側の問題と男性側の問題の両方の可能性がありますので、男女それぞれに問題がないか見ていくことも西洋医学と同様に必要です。
漢方薬としては代表的なものは次のものがあります。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
この漢方薬は何といても血の巡りにフォーカスしています。冷えやむくみ、そして生理不順の改善などで使われることがあるポピュラーな漢方薬です。
女性ホルモンのバランスを安定させ、生理不順などの障害を解消するねらいがあります。この漢方薬は妊娠前、妊娠中にも続けて使用することができ女性に多く利用される漢方薬です。
色白で血の巡りが悪い人や虚弱体質の人にも体のめぐりを良くするお勧めの漢方薬です。
四物湯(しもつとう)
この漢方薬も血に関係する漢方薬です。この漢方はその名の通り、4つの漢方をミックスして作られた漢方薬です。その成分は以下になります。
- 当帰
- 芍薬
- 地黄
- 川芎
四物湯は体を温めるのに効果的な漢方薬で、冷え性や貧血などの人にも最適な漢方薬です。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
半夏厚朴湯は気の流れを良くする漢方薬です。精神の安定や不安を和らげる効果が期待できます。半夏厚朴湯の効果は以下です。
- 不安障害
- ストレス障害
- のどの違和感
- 食欲不振
- 更年期障害
主に精神的な部分を補ってくれる特徴があります。不妊は体のあらゆる巡りの悪さが原因と漢方では考えますが、当然心の問題も影響があれば改善する必要があります。
半夏厚朴湯は精神に働きかけ不妊の手助けをしてくれる可能性を秘めています。不妊にダイレクトに影響するものではありませんが、ストレスの多い方に使用されることが多い漢方です。
漢方薬の効果がでるまで
漢方薬の効果が出るまでにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。漢方薬は薬によっては即効性の高いものもあります。不妊の場合の漢方薬となると体質改善を促す類のものが主流となります。
代謝を良くするといった対処的な部分では比較的即効性はありますが、不妊にどの程度の効果が表れるかという点に関してはいつごろから効果があるのかといった明確な基準等はありません。
あくまで不妊という点に関していえば、代謝や血の巡り、体の不順を改善を促し続けるという役目となりますので、明確な時間等はありません。
参考サイト:NIHONDO
漢方薬の副作用に動悸や湿疹?
漢方薬は薬です。薬というからには副作用はつきものです。漢方薬は体に優しいイメージがありますが、あくまで生薬であり科学的な薬品ではないという点においては人間の体に馴染みやすいというメリットはあります。
しかし副作用はやはり存在しており、その人の体質やどれだけ使う人の体にフィットしているかによっても副作用は違ってきます。
動悸や湿疹がでることも時々見受けられます。動悸や湿疹などの皮膚トラブルが発生した場合は速やかに漢方薬の服用を停止して、医師などに相談することが必須となります。
決して無理をして服用することのないよう注意してください。
基本的に漢方に詳しい医者にかかる
不妊で漢方薬を使う治療をする場合は、当たり前の話となりますが、漢方に詳しい産婦人科医に相談することがベストです。最近では産婦人科医も漢方に相当詳しい医者が増えています。
最寄りの産婦人科医にかかる場合には、事前に電話で漢方を取り扱っているか聞くこともできます。最近ではホームページに漢方について掲載している産婦人科医もいますので参考にしてみてください。
ドラッグストアでも手軽に漢方薬を手に入れることができますが、漢方の場合は自分の体質を適切に診断しなければ、適切な漢方薬を選ぶことはできません。
基本的にはドラッグストアで独学で漢方薬を購入せず、専門医に相談するようにしてください。
まとめ
- 漢方薬で不妊に効果がでるまでは明確な定義はない。
- 体質改善が漢方の基本。
- 症状に対して即効性は漢方によってはあるが、不妊となると即効性はない。
- 漢方薬に動悸や湿疹の副作用は時折みられる。
- 副作用が出た場合は速やかに使用をやめ、医師の相談する。
漢方薬は不妊治療ではよく使われるようになってきました。まずは自分の状態がどうなっているのか、西洋医学の視点と東洋医学の視点の両方の診断が必要です。
なるべく自然な形で不妊は解消するべきとなると、やはり漢方薬は試してみる価値がしっかりあると思います。安全に、そしてより自然に不妊が解消されるよう願っております。
何事もまずは東洋医学的にも自分の体の状態がどうなっているのか、漢方の専門医に相談することから始めてみましょう。